フィアンセはあなた?
ローレンは婚約者のマシアスに別れを告げるため、彼が滞在しているタホ湖のロッジへと車を走らせた。
婚約者といえど、マシアスとのあいだに恋愛感情はない。
二人の縁組は両家のビジネスを発展させるためでしかなく、彼女は悩みぬいた末、愛してもいない相手とはやはり結婚できないと思い至ったのだ。
だがロッジに着いて彼を見たとたん、ローレンは妙な胸の高鳴りを覚えた。
なぜかしら? 今まで顔を合わせたときには何も感じなかったのに、今日の彼はすごく……セクシーで魅力的に見える。
戸惑うローレンに、マシアスは突然キスをした。
チャリティ・オークションの主催者エリザ・フォーチュンは、出番を告げるアナウンスに促され、ステージ中央に進んだ。
今日エリザが競売にかけるのは、手料理をふるまうというディナー権だ。
ディナー権はすぐさま高値に吊り上がって次々に入札の声があがったが、一人の男が提示した法外な金額に、場内は静まり返った。
「三万五千ドル」ハスキーなその声を耳にしたとたん、エリザの背筋は凍りついた。
どれだけ歳月が流れようとも、聞き間違えるはずがない。
目をやると、やはりリース・パーカーが会場奥の席に陣取っている。
エリザは狼狽しつつも、リースの冷ややかな視線を受け止めた――六年ぶりに会う、夫の視線を。
広告代理店で働くジェーンは、数日前、婚約者だった男性から別れを告げられたばかりだ。
これまで以上に仕事に没頭するようになった彼女は、ある打ち合わせの席でハンサムなモデルのジェイに出会う。
初対面のはずなのになぜか惹かれるものを感じ、相手にされるわけがないと思いつつもディナーに誘うと、驚いたことに彼は喜んでそれに応じた。
約束の日の夜、欲望のままに二人が結ばれた直後、彼が口にした言葉にジェーンは凍りついた。
「ジェーン、僕は……君の幼なじみのジョニーだ」シンシアはため息をついた。
どう断ればいいのかしら? 同級生の結婚披露パーティに招待されたものの、エスコートしてくれるボーイフレンドもいなければ、華やかな場にふさわしい外見を繕う自信もない。
そんなシンシアを見かねた親友のリサは、上司の建築家マックスを説き伏せ、シンシアのエスコート役に仕立て上げた。
パーティ当日、二人が会場に足を踏み入れると、辺りがいっせいにざわついた。
嘘でしょう? 本当に彼女が、あのみとっもないシンシアなの?ケイトは会社のパーティで、著名な小説家のドレイクと知り合う。
意気投合した二人はその日からつきあうようになった。
ハンサムで才能あふれる彼に憧れる女性は多いというのに、平凡な自分が彼の目に留まったのがケイトには信じられなかった。
ただ、執筆のたびに彼が雲隠れをすることに不安があった。
それでも行方を追わずに待つというのが暗黙の掟だったが、あるとき体調の変化に気づいたケイトは、話し合いのためにドレイクの隠れ家を突き止めた。
だが、その扉の向こうには思いも寄らぬ光景が待っていた――最愛の男性のほかに、見知らぬ美女の姿があったのだ!続きはこちらから⇒ttp://www.ebookjapan.jp/shop/book.asp?sku=60022638